お知らせ2015年、地域資格「GPM」(グローカルプロジェクトマネジャー)のプログラムがスタートしました。

活動記録 (京都産業大学)

「グローカル人材論特殊講義2013」 講義内容

講義について

講義内容

この科目は、毎回、連携経済団体より企業トップもしくはエースの方に講師として来ていただき、その仕事内容や経験を語ってもらいつつ、このグローバリゼーションの時代に、地域社会を支えることの意義や苦悩をめぐって学生とワークショップ的な議論を繰り返していく、というものです。議論のコーディネーターは法学部の中谷教授が務め、地域経済で働く中で見いだされる公共性のあり方および就業観を、企業と学生の双方に考えていただく場とします。


目的

この講義は専門科目でありながら、京都という地域で働きたいという強い意欲をもつ学生と、地元の中小・中堅企業との就職マッチングまでも見据えたものとなっています。つまり、このワークショップに参加する学生は、直に企業トップやエース人材と接することができるだけでなく、経済団体と担当教員の申し合わせにより、優秀であると認められれば実際の就職までできるチャンスが与えられます。

これはエントリーシートからいわば機械的に始まる現在の就職活動のあり方に一石を投じようとする産学連携の試みでもあり、学生側も企業に対してさまざまな意見をぶつけつつ、双方の就業観をすりあわせて、仕事観・公共観を養い、就職していくシステムを作ることを目指しています。

講義日時:4月18日 講師:土山印刷株式会社 代表取締役社長 土山雅之氏

受講した学生の感想

今回の講義で「印刷会社」という私の中のイメージが大きく変化した。デジタル化が進み、「その影響を最も受ける業界である」と土山社長がおっしゃっていたように、時代に合わせてどの企業も努力をし、事業展開をしているのだと気づいた。(法学部法律学科4年次生)

コミュニケーションの大切さに改めて気づかせていただきました。会社が成り立つ上で、社員同士の意思疎通が必要不可欠なことはもちろんですが、その関係を気づくまでの社長の事細かな努力―毎朝一人ひとりの目を見て挨拶する、社員の作業現場に社長自ら出向いて意見を聞くなど―に感激しました。(外国語学部国際関係学科4年次生)

講義日時:4月25日 講師:株式会社エリッツホールディングス 常務取締役 佐々木茂喜氏

受講した学生の感想

はじめは4人で起こされた会社を、京都市内のどの地域にも店舗があり今ではテレビCMで拝見するほど京都のまちに定着されるまでの努力は相当なものであると気づいた。(法学部法律学科4年次生)

物件(商品)は全て一点もので同等品はないのはデメリットではあるが、メリットでもあると感じた。だからこそ、マンパワー中心ではなく、組織力中心としたバランス経営が行われているのだと思う。仕事とは自分がどう思うのかが重要でなく、相手がどう思うのかが重要であると述べられたが、この考えはどの仕事でも必要な仕事観であると感じた。(法学部法政策学科4年次生)

講義日時:5月2日 講師:トールエクスプレスジャパン株式会社 取締役 青木正太氏

受講した学生の感想

青木さんのお話も聴いた上で、今、私にとって仕事とは様々な人と出会う場、自分を成長させるもの、人との信頼を気づくもの、社会に貢献するための場だと考えています。働くとは、仕事というもの・場を生かしながら、社会のため、自分のために努力することだと考えています。(経営学部経営学科年次不明)

青木氏の講義を通じて働くとは自分の人生のカンフル剤のようなものではないかと思い、いつのまにか保守的になっていた仕事探しをいろんなことに「挑戦」してみようとマインドチェンジすることができた。(外国語学部英米学科4年次生)

講義日時:5月9日 講師:株式会社ナベル 代表取締役会長 南部邦男氏

受講した学生の感想

鶏卵流通業界はナベルとオランダのモバという会社の二強状態で、グローバル化は必須とのことでした。グローバル化と聞くと英語が話せるかどうかを連想しがちですが、ビジネスをするにおいての方向性や戦略を日本語でしっかりと考える事の方が大切だと述べておられました。こと大学において身に付けるべき事は新聞記事やニュースを鵜呑みにせず真実に肉薄する力だと気付かされました。(法学部法政策学科4年次生)

京都という地をよくしたいという思いから社会貢献や地域の方々と密に関わりを持っておられる地域に愛される企業だから、国際化の波にのまれようとも存続し続けられるのではないかなと思います。他の会社にも同じような商品があるけどどちらかを選ばなくてはいけないとき、その会社の人間性であったり信用性が最も大切なのではないかなと思います。(法学部法政策学科3年次生)

講義日時:5月16日 講師:西村証券株式会社 取締役社長 西村永良氏

受講した学生の感想

インターネット証券にはできない地場証券会社としての特色が、これからの日本を引っ張っていくような新しい芽の企業を育てていくことに非常に重要な立場に西村証券はあるのだと思います。(法学部法政策学科3年次生)

真面目というのは、今まで物事を真剣に取り組むことであるとずっと考えていた。「高い倫理観を持っているのが真面目。」という話を聞いて、確かに倫理観がなければ物事を真剣に取り組んでも質の高いものを提供できないし、質の高い物を提供できなければ「信頼関係」が築けないだろうと感じた。(法学部法律学科4年次生)

講義日時:5月23日 講師:株式会社片岡製作所 専務取締役 西信和氏

受講した学生の感想

西専務が言われていた、誠実な心を持ち、謙虚な反省の心を持つことという言葉が心に響きました。実際海外展開もされていて、これから特にアジア諸国での企業展開が予想される中で、この誠実な気持ちをまず前面に押し出していくことが一つの戦略ともなりうるのではと思います。(外国語学部国際関係学科4年次生)

8人グループでワークショップに取り組んでみたところ、10分以上も考えが浮かばない事態に直面するはめに陥ってしまった。世の中の"隙間"というのは、常にアンテナを張り続けていなければ見つけることが難しいということに気づくに至った。(経営学部経営学科3年次生)

講義日時:5月30日 講師:京都中央信用金庫 専務理事 平林幸子氏

受講した学生の感想

京都中央信用金庫の魅力とは、京都ブランドを持った勢いある中小企業の役に立てることであると感じた。ただ融資するというだけでなく、一緒に課題解決していくように考えていき、そして地域の発展に繋げることが信用金庫には重要な使命であり、それをまさに実行しているのが同金庫だと思った。(法学部法律学科4年次生)

ある産業を育てる上でどの業界か、何故その産業なのかといった学生目線からの考えを発表する機会があったが、農業や観光や教育などに偏った意見が多かった。これを融資する信用金庫の目から見ると具体的ではなく、融資するメリットがないとご指摘された。学生から見た視点と社会人から見た視点の違いすなわち、物事を大きい視野で見て、顧客意識していることが大きく差として生じるのだと気付かされた。(法学部法政策学科4年次生)

講義日時:6月13日 株式会社 洛北義肢(課外)

洛北義肢は、義手、義足、各種補装具、スポーツ用装具、コルセット、車椅子、杖、リハビリ機器などの義肢装具製造販売 、及び開発を行う企業です。

この日は工場見学をメインに、当社の仕事内容や理念、製品の種類についてお話して頂きました。見学では、作業工程の一つ一つを見せて頂き、社員の方々の仕事をされている風景を間近に見ることができました。人の手によるモデル修正、CAD/CAMソフトによるモデル修正、製品作り、バンド等の縫い合わせ、製品検査等いくつも工程があり、それぞれに専門の知識、技術、経験が必要です。工場内は、比較的若い方が多く働いており、自らの技術を高めていこうという積極的な姿勢が見え、活気に溢れている印象を受けました。

会社説明、質問の時間の中で、高齢化の影響でコルセット等の装具の需要が高まるなど、今後の成長市場の一つであると感じられた充実した見学となりました。

講義日時:6月20日 土山印刷株式会社(正課)

4月18日に講義いただいた同社の工場見学に訪問させていただきました。

1階の印刷工場と4階のサンプリングを制作するフロアを見学し、印刷工場内では実際の印刷機械を前に、機械の構造や仕組み、紙が印刷されるまでの流れを説明して頂きました。また、4階のサンプリングを制作するフロアでは、実際に制作されているパンフレットやポスター等の現物を見せて頂きながら、それらが制作されるまでの流れを順に説明して頂きました。

工場見学後は会社説明、プリントプリウス、WEB・デジタル部門の事業内容についてお話し頂きました。約2時間という短い時間ではありましたが、大変内容の濃いものとなりました。

講義日時:6月26日 講師:シンク・アンド・アクト株式会社(Think & Act.Inc)CEO 杉村泰宏氏

受講した学生の感想

私は社会的な企業に興味があるので、未就労者やホームレスの方、また高齢者の方の雇用を生み出すということも、社会的な企業が担っていかなければならない課題だと感じていました。なので、同社が行っている求職者のサポート支援など雇用の創出のお話がとても印象に残っています。(経営学部経営学科2年次生)

「失敗に対する抵抗力。行動量≠思考量」という言葉が印象に残った。足を止めれば、それだけ次に踏み出す一歩が怖くて、重たいので、この言葉でそれを思い出した。失敗することが怖い自分に勝ちたいと思ったし、そのために逃げずにどんどん立ち向かえるようになろうと思った。(外国語学部英米語学科4年次生)

講義日時:7月4日 講師:株式会社ウエダ本社 代表取締役社長 岡村充泰氏

受講した学生の感想

岡村氏は、会社の存在意義から進めて、人の存在意義についても言及された。会社は社会から価値を見出されなければ淘汰されるものであり、その存在意義を判断するのは社会である。それに対して、人は自らの存在について他者から否定されるべきものではない。しかし、究極的に自分自身に委ねられているという事実は、人は自らのあるべき生について考え、自らを律しなければならないということを意味する。これはあらゆる人にとって生涯の課題であると思われるが、私自身も学生である今をさまざまな学問に触れ、自らの思想を構築する重要な時期として再認識し、悔いなく過ごしたいと思う。(法学部法政策学科3年次生)

この講義を通じて、空間づくりの大切さを学ぶことができた。コミュニケーションが希薄になってきている世の中だからこそ、コミュニケーションが自然に取れる空間を演出していく仕掛けが必要なのだと思う。そして、同社は非常に快適な空間づくりに対するノウハウをたくさん持っておられるため、今後もオフィス環境を中心として、様々な分野でその仕掛けをしていくことが魅力を引き出すことになると考える。(法学部法律学科4年次生)

講義日時:7月11日 講師:株式会社フラットエージェンシー 代表取締役 吉田光一氏

受講した学生の感想

吉田氏は事業の根本動機を「社会の役に立ちたい」という思いだと述べられたが、私が今回の講義を受けて素晴らしいと感じたのは、氏はそれをビジネスとして成り立たせようとしている点である。ボランティアとしてではなくビジネスとすることの重要性は、その事業が一回限りや短期に終わってしまうのではなく継続させてゆくことに繋がるためである。また私は氏の「積極性」にも衝撃を受けた。自分から積極的に「やらせてください」と言う姿勢を私もこれから見習っていきたい。(法学部法律学科4年次生)

吉田氏は「ビジネスはアイデアじゃない」、「政策とお客さんがビジネスのカギ」、「勉強すれば先が読めるようになる」と仰っていた。私の理解が正しければ、アイデアと世間一般に言われているものは知識が生み出しているもので、知っている者にとってはひらめきの要素はないという事ではないかと思う。そして、勉強すればするほど顧客ニーズや経営知識も蓄えられるようになり、選択肢がかなり狭まる。勉強したからと言って成功する保証はないが、勉強しなければ成功はないという事だけは言えると思う。(法学部法政策学科4年次生)

講義日時:7月18日 講師:シリウスインスティテュート株式会社 代表取締役 舩橋晴雄氏

受講した学生の感想

舩橋氏の講義の中で感じたことは、仕事がお金儲けの為だけになっていては、決して成功しないということである。勿論、株式会社において、利益を求めることは大前提である。しかし、その考え方で経営を続けても続かないということを実感した。自分の中でしっかりとしたぶれない軸を持ち、目標を高く設定し、努力する。また、その軸も自分の事だけではなく、他人との関係性をベースに築くことで、この人なら仕事を任せても良いと思ってもらえる人になる。これを自然に実践できる人が信頼を築き、仕事において、良い結果を残せるのだと思う。この「信頼を築く」ことこそが、仕事の本質だと考える。(経営学部会計ファイナンス学科4年次生)

本講義では、「人」と「日本人」をキーワードとして進められた。現在の就職活動を見ると、どうしても仕事の表面的な内容(HPや企業説明会でしか知ることのできない)だけを取り上げて考えがちな印象を受ける。人という観点から仕事を考えると、自分がその仕事を通じて、なにを社会に対して行えるかではないかと本講義を受けて考える。では、私の仕事観はなにか。自分が社会に対して働きかけたいことを仕事として行えるものであり、自分がしたいことをではなく、社会に求められることでなければならない。必ずしも楽しいものでなくとも、気づいたら情熱を注いでしまうほど、価値のある誇りあるものであり、そうしていくことが仕事であると考える。(法学部法律学科4年次生)

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