確かな公共マインドと冷静なビジネスマインドを兼ね備えた地域経済を支える「グローカル人材」を育成する本事業において、後期の成果報告を広く発信する機会として、「第1回グローカル人材フォーラム」を開催しました。本フォーラムは、学生自身の自発的学びを促進しつつ、産学公連携を推し進めて大学教育と地域経済の発展に寄与するものであり、「教育の社会化」となる体系的な教育プログラムを開発・実施する取組の一環となります。当日の様子は以下の通りです。
日時 | 2014年2月28日(金)13:45開場 19:30終了 参加費無料 |
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場所 | キャンパスプラザ京都4階 第3・4講義室 〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939 |
対象 | 大学生、大学院生、教職員、企業関係者、経済団体関係者、行政関係者、教職員関係者、NPO関係者他 |
参加人数 | 約170名 |
チラシ | チラシPDF |
内容 |
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第1回目のグローカル人材フォーラムということであり、昨年までの学生の取組の成果があらわれる。経済界、京都府、京都市よりのご支援を受けながら本事業は進んでいる。産学公連携による人材育成は、様々な試みが行われている。それはもはや理論より実践である。各大学がそれぞれ歩んできた教育内容を共有しなければならない。社会連携の中でどういった人材がテーマである。連携5大学とグローカル人材開発センターのような展開は全国でも珍しく大きな使命を持ったモデルケースになる。本事業がより充実し継続できるように願っている。
まず、堀場製作所の概要、特にグローバルな展開に関して御説明を頂き、次に堀場製作所の人材育成についての御解説も頂いた。その後、上記の内容を踏まえた上で、「大学教育へ期待すること」というテーマについて、佐藤氏の御見識を提示して貰った。そして、社会人になってからも、勉強は終わることがないこと、そのため、大学時代の勉強は出発点であることを忘れてはいけないと強調し、御講演を締め括られた。
文科省の事業として、グローカル人材プロジェクトを進めている。世界がグローバル化する中、大学の場を多様化させないといけない。京都には素晴らしい企業が沢山あり、また大学生の比率がナンバーワンの環境でもある。その環境で産学公が連携しながらPBL(課題解決型学習)を進めていくこと、しかも、それが厳しいPBLであることが肝要である。PBL運営は企業人、大学、学生にとって面倒なことではあるが、これを乗り越えていかなければならない。そのコーディネートをグローカルセンターが行うようにしている。
今後は基礎科目6科目を受講後、厳しいPBLを終えた学生に平成27年から資格を与えるように進めている。グローカル人材資格取得者は企業への採用が有利になる仕組みの話も進んでいる。
各大学より、それぞれのカラーで活発な報告がなされた。社会(企業人)との接点を持ち具体的な課題に取り組むことによって、学生それぞれの意識が変化したことを感じる報告であった。このような成果報告の場の必要性と、企業人と会う環境を整える重要性が再確認された。
中でも印象的であったのは、グローカルという概念そのものをも掘り下げつつ、教育の本質に迫るような提言が、教員から、そして学生からも相次いだことである。出口を意識して企業連携を確実に進めつつ、社会に対する健全な批判精神の大切さが指摘され、それこそが骨太な企業人を育成することにつながるという原点の確認ができた。
パネルディスカッションは、次の3つの問題意識に基づいて議論が展開された。第1に「就活の問い直し」、第2に「大学と企業の協働の形としてのグローカル人材」について、第3に「グローバル化の問直しとしてのグローカル化」である。
佐藤文俊氏からは、まず、グローバル人材育成をなぜ京都で行うのかということについて述べられた。また企業側の情報発信、堀場製作所の今後の京都における取組みについて述べられた。
中森孝文氏からは、産学公の連携は理系では進みつつあるが、まだ社文系では推進が難しいのが現状である。第一部の学生報告からも明らかなように、多様な学部から産学公連携のアプローチを具体化する可能性があることを感じたことについて述べられた。
福原早苗氏からは、行政の立場から、グローカル人材育成をなぜ京都で行うのか、なぜ産学公連携をする必要があるのかの意義について、実情と展望が紹介された。
仲田匡志(学生)からは、現役の大学生として、学生の就職活動の現状とグローカル人材についての意見が述べられた。
最後に、杉岡秀紀氏が、登壇者の議論を踏まえて、京都の産学公の人材育成についてまとめられた。
若手、もしくはエース級の企業人と就職を控えた学生の双方の意識改革を促す研修として、キャリアに関わる大きなテーマについて伝え合うトークセッションを実施した。いざ働いてみて感じたこと、就職する前と就職した後に感じるギャップを生の声で伝え合い振り返ることで、今後どう働いていけばよいかを考えた。
トークセッションは、連携各校の学生4~5名および企業人1?2名で構成されるグループを10グループ編成して行われた。それぞれのグループで、学生たちは企業人とともに、「あなたにとって仕事とは」というテーマで議論をした。
最後に、グループ内で交わした議論の内容を1分間で発表した。学生たちは、大勢の見学者たちの前に立ち、企業人のコーディネートによって、「仕事に必要なこと」あるいは自分なりの「仕事観」を語った。
本日のフォーラムの熱気を非常に強く感じた。基調講演、連携校報告学生発表も大変良かった。パネルディスカッションはグローカル人材育成に関する知見、論点が素晴らしい内容であった。企業人と学生のトークセッションは内容も発表もとても良かった。聞くだけでなく参加する。それはまさしくアクティブ・ラーニングであった。ここまで志の高い学生が沢山いたことに感動をした。本事業は経済界、大学界、京都市、京都府、皆様のご理解ご協力があって進んでいる。お集まりいただいた皆様に深く御礼を申し上げる。
フォーラム終了後、多くの人が引き続き参加し、場所をかえて本日のふりかえりを交えつつ交流が続いた。この意見交換会の運営・司会進行は学生が担当し、参加学生と企業人が円滑にコミュニケーションがとれる工夫も多く見受けられた。
途中、京都産業大学のグローカル人材PBLの協力講義であるJTB西日本株式会社浅沼氏よりPBLに取り組んでいた学生たちに対して真摯なコメントと貴重なアドバイスをいただいた。この意見交換会には約100名の企業人、行政人、学生が参加し、盛会にて終了した。