お知らせ2015年、地域資格「GPM」(グローカルプロジェクトマネジャー)のプログラムがスタートしました。

活動記録 (京都産業大学)

「グローカル人材論特殊講義2014」 講義内容

講義について

講義内容

この科目は、全15回のうち2~3回を除いては、連携経済団体より企業トップもしくはエースの方を各回の講師としてお招きします。二部構成となっており、前半は仕事内容や経験談を語っていただき、後半にはワークショップを行います。ワークショップでは、このグローバリゼーションの時代や多様化する社会から、企業の地域社会との関わり方や学生の就業観など、あらゆる切り口で議論を行います。コーディネーターは法学部の中谷教授が務め、地域経済で働く中で見いだされる公共性のあり方および就業観を、企業と学生の双方に考えていただく場としています。


目的

この講義は専門科目でありながら、京都という地域で働きたいという強い意欲をもつ学生と、地元の中小・中堅企業との就職マッチングまでをも見据えた講義です。受講学生は、直に企業トップやエース人材と接することができるだけでなく、優秀であると認められればその後の就職まで繋がるチャンスが与えられます。 (過年度の受講生から、このマッチングが交わされ就職を果たした学生がいます!)

これはエントリーシートから機械的に始まる現在の就職活動のあり方に一石を投じようとする産学連携の試みでもあり、学生側も企業に対してさまざまな意見をぶつけつつ、双方の就業観をすりあわせて仕事観・公共観を養い、将来の就職へと繋げることを目指しています。

講義日時:4月17日 講師:土山印刷株式会社 代表取締役社長 土山雅之氏

テーマは「100年企業 三代目のコミュニケーション経営」。明治44年の設立から三代に渡る会社経営の中で、今回は社長が日ごろどのような業務を行っているか、組織として働く際にどのようなコミュニケーション方法を取り入れているのかを中心に、学生へお話しいただきました。

学生からは「社長は自ら社内をまわり、元気なあいさつを社員と交わし、適切なコミュニケーションを実行し、ベースに『社会貢献』『社員の豊かな人生』へ貢献の思想を持ち、常にお仕事をされている。挨拶などの浅いコミュニケーションではなく、社員の体調や、顔色、最近あった家族の話しなど、仕事の関係だけでなく人と人の深い人間関係を構築することを念頭に日々努力されている。僕自身も、学生生活で役立てる思考や技術を学べたと感じた。」(文化学部3年次)など、自身に振り返る感想も見られました。

講義日時:4月24日 講師:株式会社最上インクス 企画経営グループ 上田真理氏

日本が誇る最先端技術のお話しから、技術職という立場から語られた「働く」ということへの向き合い方や意義についてまで、幅広く講義いただきました。

学生からは、「お話に心を打たれ、本当に感銘を受けるものであった。働く上で何を目的とするのか、何を目指して日々努力するのか、何をやりがいと位置づけ意識するのか等といった、人が仕事をする理由、生きる理由といった大きなテーマが強く印象に残った。私自身の将来を考える上で、また、今後の生き方に大きな影響を受け刺激となりました。」(法学部3年次)や、「働くことの意義を、目に見えない報酬である仕事・能力・人間的成長に注目され、積極的に見出される熱意の大きさに感銘を受けた。」(法学部4年次)などの感想が寄せられました。

講義日時:5月1日 講師:JTB西日本京都支店 法人営業部 中川渉氏

ツーリズム産業の中で旅行業界がどのような立場にあり、社会の変化にどのように対応してきたかの背景をお話しいただいた上で、業界に身を置くものとして求める「社会人として一番大事なこと」とは何かについて語っていただきました。

学生からは、「日本における外国人旅行者入国数が28位と意外と低かったことが気になりました。国別の旅行者では韓国・中国・台湾が多くアメリカやオーストラリアが次ぐといった感じで、やはりヨーロッパの人から日本は非常に遠い存在であるのかなと感じました。私のロシア人の友人は、日本に行きたいけれど距離が非常に遠く、何よりビザがおりにくいと嘆いていましたが、そういった事も外国人観光客が他の先進国と比べて少ない原因の一因なのかもしれないと改めて感じました。」(法学部4年次)など、旅行業界の背景と実生活とを関連付けて振り返る感想も見られました。

講義日時:5月8日 講師:西村証券株式会社 取締役社長 西村永良氏

「証券会社」の業務説明から資産運用の重要性を中心に、「西村証券」の特徴である地域への向き合い方、信頼のための対面営業、独立系の強みについてお話しいただきました。途中には日本人特有の株に対する嫌悪感、株の重要性への理解の低さ、を言及する場面もあり、学生は自身の生活においてなぜ証券会社や株に馴染みがないのか、その要因を改めて思案するような様子が見受けられました。

学生からは「本日の講義をきっかけに、投資や経済の動向に関心を抱いた。その関心を活かし、将来の日本を考察することが課題である。そのためには、資産運用に関する金融の知識を身に着ける必要があるが、まずは新聞の経済面から、現在の日本を分析することが先決であろう。」(法学部4年次)など、講義を通じて関心から課題発見へとつながったという感想も寄せられました。

講義日時:5月22日 講師:株式会社ブリッジコーポレーション 代表取締役 川口聡太氏

経営者歴を振り返りながら、「働くということ」とは何か、「社会で求められる人材」とは何かについて学生に語っていただきました。大学時代からビジネスの世界と関わりを持っていた経歴から、人生の歩みを通して変化していった仕事観について、お話しいただきました。

学生からは「お話を聞き、『根拠のない自信をもつ』というメッセージが強く伝わってきた。パワフルな人柄で、生き生きしておられる川口さんを見て、未来に描く理想の自分を想像し目的を持つことによって、目標に向かって努力することが出来るのだろうと気づいた。また、仕事に対する思いは川口さん自身を変えるだけではなく、他者も巻き込んで動かしていくエネルギーがあり、それが会社の価値を高めることにも繋がっていくと考えた。私も、自分自身だけでなく周りの人にも何か影響を与えられる人になりたい。」(法学部3年次)など、自分を奮い立たせる感想も寄せられました。

講義日時:5月29日 講師:株式会社太鼓センター 代表取締役 東宗謙氏

世界も認める日本の打楽器「和太鼓」でビジネスを行う立場から、和太鼓との出会い、太鼓教室から「和太鼓療法」ビジネスに至るまでの紆余曲折、和太鼓の効果など、今までの歩みを振り返る形で実体験をお話しいただきました。その中でも、学生に向けて「好きなことを仕事にする」ということの誇りや喜び、またそれ故の困難なども含めて語っていただきました。

学生からは「好きなことをビジネスにするには勇気がいるが、一歩踏み出せばいろいろな発見がありアイデアが出てきたりする。それをうまく仕事に結び付けて新たな市場を開拓できればビジネスは成功する。東さんが音楽の感動をみんなで味わってもらいたいのが根底にあり、モチベーションになっているように、なにをするにしてもなぜやりたいのかを明確にして持っておかないといけないことが改めてわかりました。」(経済学部3年次)などの感想が寄せられました。

講義日時:6月5日 講師:全日本空輸株式会社 京都支店 支店長 岸田洋氏

全日本空輸株式会社の現状から、航空業界を取り巻く環境についてなど、幅広くお話しいただきました。更には、空の交通をビジネスとする立場から、地上の交通をビジネスとする企業との関係性についても語っていただきました。交通手段の要として身近に選択するアクセスがどのような現状にあるのか、学生たちは驚きながらも真剣にお話しに耳を傾けていました。

学生からは「航空会社間だけでなく、実は鉄道業界との競争もあることを初めて知りました。」(経済学部3年次)や「本日の講義で新幹線が「3時間の壁」を突破すると航空会社が大ダメージを受けることが分かり、お互いに競争の視野に入らないと思っていたが、航空と鉄道の関係は密接なものであると気付いた。」(法学部3年次)など、意外な関係性に驚く感想も寄せられました。

講義日時:6月12日 講師:日東薬品工業株式会社 代表取締役社長 北尾哲郎氏

持参いただいた販売商品を手に、北尾社長から日東薬品工業会社の企業説明や特色などについてお話いただいきました。その後、実際に5年目・3年目として仕事現場の最前線で働いている社員の方にも職務内容や入社の経緯などを語っていただきました。

学生からは「中小企業は、消極的で大企業の下では言うことを聞かざるを得ないというイメージを抱いていました。しかし、『大企業にない商品を作れば逆にその商品価値を理解する大企業などから声がかかる』という社長のお話に、僕の想像と真逆の過程があることに気付かされました。」(法学部2年次)や「自分自身のパーソナリティを大事にすること、相手へ自分を理解してもらう努力をすること。ここから生まれる人間関係を非常に大事にされており、社長を中心に据えた温かい雰囲気を織りなしているように思えた。」(法学部4年次)など、驚きや組織の雰囲気についての感想が寄せられました。

講義日時:6月26日 講師:株式会社ワコールキャリアサービス 代表取締役社長 柏木裕之氏

母体である『ワコール』がどのような企業であるかをご説明頂くとともに、創設者である塚本幸一氏がなぜ人の役に立つための会社を興したのかを、企業にとって大切な柱である理念から深くお話しいただきました。

また、ワークショップでは、受講生に『起業したならば、どのような理念を掲げるか』というテーマにも挑戦してもらいました。

学生からは「何の企業が自分に合っているか、どんな企業なら合わせていけるかという受身な考え方をしていた。そうではなく自分は何をしたいか、どんな人になっていたいか、自身の軸をはっきりさせていくことで今後の進路選択を考えていこうと思う」(法学部4年次)、「人材派遣のイメージが変わりました。人材育成を大切にしていることや派遣事業を通して人と会社を繋ぐこと、派遣後の正規雇用までをも事業の理想としていることを聞き、派遣事業の見えなかった一面を知ることができました」(経済学部3年次)などの感想が寄せられました。

講義日時:7月3日 講師:株式会社ファーストリテイリング 人事部長 田辺信裕氏

ファーストリテイリングの企業説明から始まり、グローバル企業とは何か、自社の考えるグローバル・グローカル人材とはどのような人材であるかなど、世界に展開しているユニクロ事業を通して、お話をお聞きしました。

また本日は公開授業ということで、後半のワークショップでは参加した一般学生も混じって意見や質問を交わしました。

学生からは「今回のお話の中で『1兆円の売り上げを2兆円に伸ばすことを考えてはならない。5兆円を目標にして、それを達成できるような飛躍した考えを常にしなければならない』と話されていたことが、私の中で一番印象に残った。常に知恵をもって、無理と思われる目標に向かっていかなければならないのが社会人で企業人だと感じた。」(経済学部3年次)など、感想が寄せられました。

講義日時:7月10日 講師:株式会社山中商会 常務取締役 古市佳靖氏

会社概要の紹介に始まり、山中商会独特のサービス展開や「ファミリー企業」という社風についてなど、他社に真似されることのない経営内容についてお話をいただきました。また独創性の高い経営をする一方で安売りせず、適正価格で顧客に喜んでもらうこともしっかりと方針に組み込んでいることなどもご説明いただきました。

学生からは「コンセプトのファミリー企業では、社員は一人前になるまで育てていく義務があるというのを聞いて、アットホームで人との繋がりを大切にしている会社だと感じた。アットホームだからこそ、社員が辞めたくなっても、仕事の悩みを聞いて不安を解消するなど、社員に対して向き合えるのだと思った。社員もそういう環境にいるからこそ、自分の思いが言いやすいのではないかと思う。」(法学部3年次)など、感想が寄せられました。

講義日時:7月17日 講師:日本銀行 京都支店 支店長 鎌田沢一郎氏

日本銀行の役割や業務内容をご説明いただきました。その他にも、銀行という立場から見る京都企業の特徴などについて、幅広くお話しいただきました。

普段は関わることのない「銀行の銀行」である日本銀行の正しい認識や、実際に勤める鎌田氏がどのような業務を経験してこられたのか、分かり易い説明と実体験を交えたお話に、学生は銀行そのものへの質問の他にも、意欲的に「求められる人材」についてなど多く質問をしていました。

学生からは「どういう方向に進めばよいのか、悩んでいる人へのメッセージに『比較優位の原則(他人に代わり得意分野に専念し、それが全体の得になる)』をお話頂いた。私自身将来に対し不安があったので参考になった。人はひとりでは生きていけず、常に他人と関わって生きているので、関わりを大切にしなければならないと改めて感じた。」(法学部3年次)など、感想が寄せられました。

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