お知らせ2015年、地域資格「GPM」(グローカルプロジェクトマネジャー)のプログラムがスタートしました。

活動記録 (京都産業大学)

FD研究会『アメリカの大学から見る日本の大学の将来―グローバル化時代の地域社会における教育改革―』 盛会にて終了

開催日時:6月25日

シリコンバレーで日本の技術と米国の資本をつなぐ起業支援活動を行う観点から、日本の教育改革についても活動・提言を続けて来られた企業人を講師に迎え、日本の大学の将来や現在学生である若い人たちにとって必要なことは何かという視点でお話し頂きました。また、自身がシリコンバレーに設立される予定の大学構想についても紹介いただきました。

ご案内
日時2014年6月25日(水)14:00~16:00 参加費無料
場所京都産業大学13号館(法務研究科棟)1階13B01教室
〒603-8555 京都市北区上賀茂本山
対象大学院生、大学関係者、自治体職員、経済団体関係者、企業関係者(企業経営者、人事担当者等)、教職員関係者、NPO関係者 他
内容
  • 第一部 基調講演
    • 株式会社B-Bridge(ビーブリッジ)代表取締役 桝本 博之氏
  • 第二部 対談・質疑応答
    • 京都産業大学 経済学部教授 田中 寧
    • 京都産業大学 法学部教授 中谷 真憲(コーディネーター)
ダウンロードチラシPDF

講演概要

第一部:基調講演

シリコンバレーでベンチャー企業を営む桝本氏自身の経験を元に、アメリカから日本を見て感じることを中心にお話しいただきました。主な内容は以下の通りです。

多国籍の人が暮らすアメリカは、日本に比べてイノベーションを起こしやすい土壌である。また、ITのベンチャー企業が集まるシリコンバレーのグローバルな視点と、「グローカル」という考えに強く共感している。

日本の大学に今後必要なのは、海外の大学などと提携してそれらを見聞きし、成長の糧となるような学びを取り入れ、そのために能動的に動くことが必要。世界中の大学が技術的連携などを進めていくことが最終的には社会貢献に繋がると考える。

また、参加者の学生たちには、以下のメッセージをいただきました。

「次、自分はどうするのか」ということを即断即決していって欲しい。そのためには、下調べを十分にしておいたり、常に「考える」ということを習慣づけておくこと。一日のうち、「考える」という時間を必ずとることによって、新しい発想が生まれる。

自身をもっとアピールし、事前調査や雑学も含めた勉強をした上で実体験につなげることが大切であり、それはPBLを通じた学びと共通したものだと考える。


第二部:対談

本学経済学部の田中教授との対談では、以下のとおりお話しいただきました。

日本の付加価値について:礼儀正しい気質やおもてなしの心、勤勉さ、モノづくりへのこだわりなどだと考える。自分は日本を応援することを信条としているので、色々な切り口で日本をアピールして日本に興味を持つ人を増やしていきたい。

安全志向の学生が多いことについて:アメリカでの成功がハイリスク・ハイリターンだと考える人は、単なる不安もリスクだと捉えているように感じる。ベンチャーを興すことは成功する可能性もある。また、日本で感じる人為的ストレスは皆無で、仕事に集中することができるため生産性は格段に高いといった良い面もある。

アメリカと日本の大学生比較:決定的な違いは、日本は就活のことばかり考えていること。これは社会や大人たちに問題があり、保護者も安定と知名度を求めている。エントリーシートのような型にはめようとする形で社会が学生を雇用するシステムだと、小さくまとまった社会人にしかならない。

学生に経験してほしいこと:一人旅をして、自分で決断することや、自分で見たことを如何に人に伝えられるかということを学んでほしいと個人的に思う。事前調査することで、危険な場所かどうかなど判断する材料にもなる。


また、桝本氏が来年9月開校を予定されているSJVU(Silicon Valley Japan University)について、以下の通りご紹介いただきました。

あくまでも認可大学として、アメリカのcommunity collegeとuniversityの中間にあたる位置づけを目指している。若者だけでなく誰でも入れる大学として開校する予定だ。

日本の大学や企業が持っている技術の多くを本校で吸い上げ、それらの技術が世界に通ずるのかをPBLを通して学んでもらいながら、チャレンジ精神をつけたり日本の良さを海外に発信していって欲しいと考えている。

起業学やなどを学べる国際経営学部を設立し、将来的には学士が取れるものにすることを目指している。一番の特色はTOEFLの縛りをなくすことだ。

最初は日本人中心でやっていくが、最終的には7割が日本人以外で構成されることを目指し、日本のファンを増やすことを目的としている。

質疑応答では参加者(特に学生)から多くの質問があったことからも、硬い雰囲気の一般的なFD研究会とは趣の異なる、参加者にとって聞きごたえのある講演会となりました。

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