講義内容
PBLとはProject Based Learning(課題解決型学習)の意味です。学生自身の主体的かつ実践的な学びに重点を置いたアクティブラーニング(能動的学習)の一種で、社会が求める人材育成の先進的な取り組みとして現在、経済界の注目を集めています。学生はこの講義を通じて、企業や地域社会の実際を知り、仕事について理解を深めるとともに、チームワークやリーダーシップ、プレゼンテーション能力を身に着けることができます。
PBLとはProject Based Learning(課題解決型学習)の意味です。学生自身の主体的かつ実践的な学びに重点を置いたアクティブラーニング(能動的学習)の一種で、社会が求める人材育成の先進的な取り組みとして現在、経済界の注目を集めています。学生はこの講義を通じて、企業や地域社会の実際を知り、仕事について理解を深めるとともに、チームワークやリーダーシップ、プレゼンテーション能力を身に着けることができます。
PBLは教員、学生と協力していただく企業、団体などの間で話し合いつつ作り上げていくものです。学生は教室にとどまるのではなく、企業人などと話し合いながら、提示された課題の解決にチームで取り組んでいくこととなります。
担当教員の中谷教授から、今後の授業方針と履修生が関わっていくプロジェクトについてお話がありました。
「こういった授業と座学とを往復することが大切ではあるが、座学との決定的な違いは、さまざまなプロジェクトは人間関係の中で進められることである。そういった人間関係のマネジメントの中で試行錯誤しながら、恐れずに経験していってほしい」と、学生に説明されました。
具体的には、西村証券での金融商品の開発と、大垣書店での外国人向けコーナーの企画提案プロジェクトに加え、もうひとつ追加されることが決まりました。
早速、学生からは様々な質問があり、積極的に授業に取り組んでいこうとする姿勢が見られました。
初めに中谷教授からプロジェクトチームの発表と各企業のプロジェクト紹介が行われました。その後、以下の3チームに分かれてプロジェクトについてのディスカッションなどを行いました。
西村証券チームでは、西村証券株式会社から古賀友康氏がお越しになり、金融商品の開発ついて金融の基礎からレクチャーしていただきました。
大垣書店チームは三条店における外国人向けコーナーの設置と提案を目指し、「自分たちが外国に行けばどのような本が欲しいか?」というテーマで話し合いました。
Dari Kチームは、販路拡大という目標に向けて、チョコレートを購入する客層、今後の実地調査の必要性について話し合いました。
各班とも、今後の授業でどのようにプロジェクトを進めていくかを見据え、全員が真剣に意見を交わしていました。
西村証券チームでは、前回に引き続き古賀氏からご講義いただき、証券におけるリスク分散やポートフォリオを使っての資料解釈など、具体的な内容に踏み込んでいきました。
大垣書店チームでは、同店に訪問する際の質問内容として、「外国人コーナーのスペースはどのくらい確保できるの?」「実際に外国人顧客はどのくらい訪れているのか?」など、様々な意見が出てきました。
Dari Kチームでは、これまで様々なアイディアが出されましたが、「Dari Kという企業についてどのようなことを知っているのか?」という意見が飛び出し、プロジェクトを進めていくにあたって設立経緯などを調べる必要があることに気づいたようです。
西村証券チームでは今回も古賀氏にご講義いただき、ポートフォリオの作成手順や資産配分の決定手順など、より実務的な内容に取り組んでいきました。また、本学外国語学部より国際金融を専門にされている横山史生教授からも、金融概論についてお話いただきました。
大垣書店チームでは実際に三条店に赴き、店内視察に加えて、店舗周辺の立地調査や同業店との比較調査を行いました。
Dari Kチームでも、実際に店舗に赴いて話を伺ったメンバーから報告を受け、チーム全体で販路拡大に向けての顧客ターゲットや販売方法等より現実的な話し合いに入っていきました。
今回の授業はラーニングコモンズで行われ、各班が以下の内容で話し合いました。
大垣書店チーム:広い視点から外国人観光客の特徴を明らかにするため、大垣書店の店舗近くで実施した外国人観光客インタビューの分析を行いました。
西村証券チーム:現在の政治・経済・文化等から、今後どのような国や企業の債権が上昇する傾向にあるのか、ということについての話し合いを行いました。
Dari Kチーム:これまで得た情報をもとにした販路拡大についての話し合いを行いました。データが豊富になったため、より意義深いミーティングがなされ、各人が多くのアイディアを出していました。
全体としては、話し合いの質の向上が見られました。アイデアだけではなく、その理由づけとアイディアに関わる情報の集め方に関しても、質が高まっているように思えました。
講座中盤に入り各班新たなステップに入っていきました。
大垣書店チーム:過日行った大垣書店店員の方と㈱ジイケイ京都社員の方に学外でインタビューを基に、今後のプロジェクトの方向性について改善点や、設置する本の内容、POPのデザインやレイアウトなど、より具体的な話し合いが進められました。
西村証券チーム:前回までに各自が考えたポートフォリオの共有と、現在の経済の動向を本学国際関係学部の横山史生教授とともに分析しました。
Dari Kチーム: Dari K株式会社の代表取締役・吉野慶一氏のお話をもとに、「カカオの魅力」について改めて班で話し合いました。
西村証券チーム:西村証券株式会社から、古賀氏と土肥氏のお二人にお越しいただき、前回作成したポートフォリオについて実際に見ていただき、フィードバックをいただきました。
大垣書店チーム:大垣書店三条店付近において外国人に対して直接アンケートを行いました。年齢や性別、SNSの利用頻度、京都に関する情報をどこから得ているかなど、学生たちは具体的に質問していました。
Dari Kチーム:「チョコレートをいかに売るか」から「カカオの魅力とは?」について、より本質的な部分に焦点をあて議論を深めた結果、チョコレートを販売する以外の方法でカカオの販路を開拓していくというひとつの方向性を得ることができました。
西村証券チームは、投資信託の仕組みについての説明を横山先生(本学外国語学部)から受けました。次回までに、ホームページで投資信託の説明書を探しだし、それを用いて主要投資信託商品を調べることになりました。
大垣書店チームは11月17日の大垣書店での発表を振り返り、その改善策について話し合いました。この前の発表は判子、ブックカバー、名入れなどのサービス面に力を入れすぎていたため、まずは実際に本を手に取ってもらえるように、本の配置や、内装などを考えるという案が出ました。企業の方との話し合いの中で少しずつ目標へ向けて進むことができています。
Dari Kチームは前回、チョコレート「以外」の商品を販売することができないかと考えました。そこで、今回はカカオの成分や効用を調べ、何かに応用できるか議論したが、結局ニキビという生理現象の克服に頭を痛め、話し合いが行き詰りました。
西村証券チームは、調べてきた主要投資信託商品をもとに、以前作ったポートフォリオとの比較検討を行いました。しかし、あふれる情報を前に、考慮すべき要素が多すぎて何を選んだらいいのか分からなくなったため、細かな投資事情を調べる必要があるという結論に至りました。
大垣書店チームは、授業後に大垣書店を訪ねる際に、ショーケースウィンドウの装飾をより京都らしくし、本に関しては、文化・小説・料理の本を中心に置くという提案をすることになりました。本の種類は、アンケート結果をもとに決定した。本日の話し合いをもとに、来週また修正を行っていきます。
Dari Kチームは、カカオを使った化粧品を考えてきましが、化粧品ではインドネシアのカカオ豆を使うことの魅力がなくなるのではという意見が出ました。前回までは、「化粧品を提案する」という新しい方向性を持てていましたが、新しい案が出れば出るほど、同じだけの思いつく限りの反論が出てきました。正解がない中で、試行錯誤しながら課題に取り組んでおり、化粧品以外ではどんな商品が良いか?ということを考えてくる事が次回までの課題となりました。
本日は、ホテルグランヴィア京都にて、京都信用金庫の北大阪地区の顧客の方々を対象としたオーナーズクラブ会合に、西村証券株式会社・株式会社大垣書店・Dari K株式会社のプロジェクトチームが参加する機会を頂きました。会合では、約60名の各企業のトップの方々を前にプレゼンテーションを行う場を与えられました。発表時間4分という制限があったにも関わらず、実際にこれまで行ってきた事業内容や自分たちが気づいた学びなどについて、しっかりと要点をまとめて話していました。
その後は、学生たちと企業の方々が同じテーブルを囲み、「人材育成」、「就職におけるミスマッチ」、「採用・雇用される能力」の3つのトピックについて話し合いが持たれ、学生にとっては企業の社長の方々と直接話せる大変貴重な経験となりました。
西村証券チームは、主要投資信託商品をもとにポートフォリオを作成していましたが、あまりの複雑さに壁にぶつかっていました。その中で、ひとつひとつの投資事情を調べていくという地道な作業の必要性に気づき、実際にそれを行いました。具体的には、商品ラインナップに挙げられた株式会社の投資に関する情報をひとつずつ丁寧に調べてまとめていきました。この作業を行うことで、投資を行う際の利回りやリスクと総合的に判断して、有益なポートフォリオの作成を目指します。
大垣書店チームは前回の訪問時に、①外国人コーナーを町屋風にする、②日本文化・食・小説に関する本を設置する、③日本人作家の本とその翻訳本を並置することで比べてもらう、といったことなどを提案しました。担当の方からは、提案について、話の具体性や裏づけにかける上に、前回の報告とのつながりが見えないという指摘を受け、それを踏まえてプロジェクトの方向性を改めて再考する回となりました。
Dari Kチームでは、カカオを用いた「石鹸」を販売することについて話し合いました。しかし、これを実現するには様々な制限を乗り越えていかなければならないという意見が出ました。そこで、Dari Kの企業理念に立ち戻り、トリプルウィン(売り手・買い手・発展途上国の生産者)という観点から、インドネシア現地で石鹸を生産すれば良いのではないかという意見が出ました。
大垣書店チームでは、12月15日(月)に大垣書店に赴いて再度発表を行いました。前回は、企画の具体性や裏づけについて不十分さを指摘されました。今回のプレゼンでは、具体性について再度指摘を受けました。そこで今回話し合ったところ、伝えたいことが完全に伝わっていないため、不十分な印象を与えているということが分かりました。それを踏まえて、次回までに資料のビジュアル面を工夫することになりました。
西村証券チームでは、前回に引き続き、主要投資信託商品の商品ラインナップをひとつずつ詳細に観ていきました。今回は古賀氏(西村証券株式会社)にご指導いただき、今後の経済動向についての予測レポートをもとに講義を受けました。商品ラインナップのひとつひとつを詳細に理解し、直近の経済動向を予測することによって、今後は、より提供する商品として適切なポートフォリオの作成を目指します。
Dari Kチームは前回の話し合いで出たカカオ成分を用いた石鹸を売り出すという案を吉野社長に提案しました。しかし、石鹸であれば薬用品になるので、薬事法に抵触しないか、商品開発のコストが利益を上回るのではないか、といったことについて指摘を受けました。低価格であり、購入する頻度はそれほど高くない石鹸よりも、リップクリームなどの方が有益ではないか、とのご意見も頂きました。しかし、同様の問題点をどう解決していくかが求められることから、販売までのハードルの低さと収益率の両面を考慮した商品を新たに考える必要が出てきました。
大垣書店チームでは、本棚やレイアウトのイメージなどを実際に絵にかいたり、イメージに近い画像を他サイトから引用したりすることで、伝える工夫を行いました。同時に、提案内容の具体性についても案を出し合った。今回の授業だけではまとまりきらず、冬休み中の課題となりました。
西村証券チームでは、引き続き、主要信託商品のラインナップを詳細に調べました。基準価額と純資産総額の過去の推移をもとに、当該企業の今後の推移を判断し、同時に商品としてのリスク度を計りました。また、新興国の株価の収益率を図式化し、比較作業を行いました。これらの作業は、商品として提案するポートフォリオを作成するための工程であり、今後も行う予定です。
Dari Kチームでは、各々が新しい商品・販売のアイディアを出し合いました。今度はカカオの殻に注目して、京都のお茶にブレンドする案が出てきたので、それに伴い、再び最初から商品化までのプロセスを考えていかなければならなくなりました。冬休みの間にどれだけまとめられるかが重要になります。
今回が最後の講義となりましたが、各チームの活動はまだ続くことになっており、企業への発表や最終成果報告会を控えている。引き続き各チームがこれまで通りにそれぞれの課題に対して議論を行いました。
大垣書店チームでは、前回まで進めていたビジュアルを用いたプレゼンの準備に加え、店内外の細かいレイアウトや新しいアイデアについても話し合いを進めていきました。
西村証券チームでは、引き続き前回の作業を行いました。「自分たちの親世代に提案できる商品」を開発するという最終目標にむけて、金融に関する高度な知識の習得に加え、金融商品として作成してきたポートフォリオにターゲットの志向をいかに反映させ、魅力をどうアピールしていくかを残された時間で学んでいく必要があるでしょう。
Dari Kチームでは、様々なアイデアが出てきましたが、どれも現実的な提案として採用されず、今回も議論が錯綜していました。新たな商品を提案し、説得力のあるプレゼンを作成することが最終報告会までの課題です。
本授業の成果を、第2回グローカル人材フォーラム で発表しました。発表内容はこちら。