お知らせ2015年、地域資格「GPM」(グローカルプロジェクトマネジャー)のプログラムがスタートしました。

活動記録 (京都産業大学)

『グローカル人材PBL2015』 講義内容

講義について

講義内容

PBLとはProject Based Learning(課題解決型学習)の意味です。学生自身の主体的かつ実践的な学びに重点を置いたアクティブラーニング(能動的学習)の一種で、社会が求める人材育成の先進的な取り組みとして現在、経済界の注目を集めています。学生はこの講義を通じて、企業や地域社会の実際を知り、仕事について理解を深めるとともに、チームワークやリーダーシップ、プレゼンテーション能力を身に着けることができます。


目的

PBLは教員、学生と協力していただく企業、団体などの間で話し合いつつ作り上げていくものです。学生は教室にとどまるのではなく、企業人などと話し合いながら、提示された課題の解決にチームで取り組んでいくこととなります。

講義日時:10月1日 第2回

初めに中谷教授から各企業のプロジェクト紹介とチーム発表が行われました。その後以下の2チームに分かれてディスカッションを行いました。

株式会社ジーユー(G.U.)チームは「学生に入社したいと思わせる会社案内の作成」というゴールに向け、まず「消費者としてのG.U.」と「就職先としてのG.U.」の2つの面からのイメージをまとめました。ジーユーチームは、次回授業までにこのイメージを踏まえて会社案内におけるターゲットを考えてくることが課題となりました。

株式会社ザクティチームは「デジタルイメージをどういった用途で活用できるか」といった映像の活用案を考察するために、まずはどの部品に焦点を当てるのかについて話し合いが行われました。電子機器に詳しい学生が他の学生に対して、電子部品の1つであるエーシックについてレクチャーを行うなど、個人の長所を最大限に活用する工夫が見られました。

ゴールから逆算し、今何をすべきなのかを入念に話し合っていたことから、このプロジェクトに対するやる気と、プロジェクトを通して自己を高めていこうという意気込みが両チームから感じ取れました。

講義日時:10月8日 第3回

前回にチームのメンバーが確定したため、今回の授業より、両チームとも具体的な活動内容の考察に入りました。

GUチームは就活生向けのパンフレットのコンセプトを話し合いました。GUに就職を志望する人数を増やすためにはどうしたらよいのか、どのようなパンフレットが若者の興味関心を惹きつけるのかが主な争点になります。話し合いの中から、「服のコンビニ化」なるものが提案されました。これは、コンビニに立ち寄ることと同じレベルの気軽さで、アパレルショップに立ち寄っていただくという趣旨です。

xactiチームは、もともとカメラに興味のない人間をどのようにして惹きこむのかという課題のもと、まず、どんなカメラがあると便利かということについて話し合いがなされました。話し合いの結果、新たな商品を提案するのではなく、既存の製品の新たな使い方(カメラを新たに使えるシチュエーション)を考察するという方向性が決定しました。

講義日時:10月15日 第4回

今回の授業では中間報告を行うという形で、これまで各々のグループで出された案をまとめ、今後の活動方針を決定しました。

GUチームは、性別に制限を設けず、熱く楽しく仕事をするという方向性の下、パンフレット作製を行うことを決定しました。ターゲットはアパレルに興味を持つ人、仕事を通じた成長を渇望している人です。次回までの課題として、それぞれが①ターゲットの深堀、②他社との差別化、③アピールポイントをどこにおくかを考えてくることになりました。

Xactiチームは、今あるカメラをどのようなシチュエーションで、如何に用いるかを課題に、カメラの新用途を提案するという方向性を決定しました。「人が行っていることをカメラで代用する」がコンセプトです。今後の活動内容は、グループを2つに分けて活用案の考察を行うこと、アンケートを行うことです。

その後中谷教授より、両チームへのアドバイスが行われました。両チームとも、ターゲットや、誰に対しどういった価値を訴えるのかという訴求ポイント、他社との差別化を明確化することを課題として指摘されました。

講義日時:10月22日 第5回

今回は両チームともに、案をより具体的にするという目標の下、メンバーごとに考察してきた内容や改善策、今後の目標や課題を共有し、フィードバックを行いました。

GUチームは、まずターゲットを細分化して定めることにより、今後の方針をより具体化し、さらにGUのアピールポイントを考察し、他社との差別化を図れるポイントを列挙しました。授業の後半では、今後の活動をスムーズにするため「全体のまとめ役」「データのまとめ役」「デザイン考察役」の3つにチームを分けました。

xactiチームは、カメラの具体的な使い方を決定するために、「防犯」「日常」「機能向上」の3つの使用用途別に意見を分けて、活用案を考察しました。具体的な案としては、ドアにカメラを設置することやテレビにカメラを設置することなどが挙げられます。 上記の3グル―プに2人ずつ役割を分担し、3つの案を提案するということが当面の目標となりました。

講義日時:11月5日 第6回

GUチームでは、フィードバックを踏まえコンセプトやキーワード等の変更、全体案の練り直しが行われました。

さらに、GUの社員の方にインタビューする際の手順についての話し合いが行われました。インタビューの方向性と内容を決定するため、だれにどのようなことを聞くかをまとめ、それにそったインタビューを行うことで今のコンセプトに肉付けがなされ、より具体化されると予想されます。

Xactiチームでも、インタビューの方向性と内容についての話し合いが行われました。さらに前回のチーム分けをふまえ、より具体的な活用案についての考察が行われました。出された提案は

・自撮り専用カメラ、自撮りをスマートフォンで簡単にできる装置(大人数での自撮りを日常的に行いたい女性がターゲット)

・写真の文字データをwordなどで文字化できる技術

・監視カメラで人数のカウントができるようにする技術などで、Xactiチームは、特に自撮りに力を入れて取り組みたいと考えているようです。

講義日時:11月12日 第7回

今回の授業では、両チームともに、インタビューに向けての本格的な準備を行いました。

GUチームは今月16日に行うインタビューに向け、インタビュー内容の再確認を行いました。

また、コンセプト、キーワードなど全体のつながりを再確認するとともに、インタビューすべき内容の漏れがないか議論を行いました。

Xactiチームは、「女子大生限定」と「大学生(男女問わず)」を対象にアンケートを実施したようです。アンケートの内容は、「カメラにどのような用途を望むか」「実生活において困っている事は何か」です。

このアンケート結果を踏まえて、
1.女子大生向けのカメラの新用途を提案するグループ
2.男女問わず大学生の求める便利なカメラ機能を提案するグループ
3.スマートフォンでは対応不可能だが、カメラでは可能な機能に焦点を合わせるグループ
の3つにグループを分け、それぞれがインタビューに向けて内容を考察しました。

講義日時:11月19日 第8回

Xactiチームは企業訪問(学外実習)を行いました。
まず、Xacti 管理本人事総務部部長岩泉隆男氏、開発本部設計部回路設計課チーフ藤田日出人氏より、会社概要及びカメラ技術についての説明を受けました。

次に藤田氏に自分たちの考えてきたアイデアや機能を伝えると、「学生の視点は新鮮で興味深い。私たちでは見過ごしてしまう面白いアイデアをくれる」との嬉しい評価をいただきました。岩泉氏からは、「興味深い数々のご質問を頂き、その知的好奇心の強さは、PBLを通じて養われているものと、流石と感心致しました。」とのコメントもいただいています。

今後、12月の最終授業または1月の最初の授業で、最終プレゼンを行う予定です。これまでの内容とフィードバックを踏まえ、より内容の充実を図っていってほしいです。

一方、GUチームは16日に実施した企業へのインタビューの結果をふまえて、中間発表に向けての準備に取り掛かりました。

具体的には、パワーポイント作成、原稿作成です。その際、インタビューの結果から発表の際に使用するものをピックアップすること、発表の際の役割分担、内容の再確認と深堀という3点に注意しながら作業を行いました。

中間発表での健闘が期待されます。

講義日時:11月26日 第9回

Xactiチームは、前回の企業訪問時にヒントをたくさんいただき、新たな視点やアイデアも出てきたのでそれを温め、今の方向性ですすめてラフ案を作成することになりました。商品化まで実現するかは未知数ですが、従来の商品との違いを明確にし、企画書やプレゼン資料に落とし込んでいくことになります。

GUチームは中間発表の際に頂いたフィードバックと、中谷先生からのアドバイスを基に、ターゲットの練り直しと全体を通しての理論の修正、パンフレットレイアウトの確定を行いました。来月9日の最終発表まで日が少ないので、急ピッチで完成まで持っていく必要があり、今後、チームでの協力がより求められます。

講義日時:12月9日 最終プレゼン

株式会社ジーユー東京本部にて、代表取締役社長 柚木治 氏、取締役副社長 川畑卓 氏、人事部部長 田辺信裕 氏に最終プレゼンを行いました。

初めて足を踏み入れる東京本部でのプレゼンに緊張しているようでしたが、京都産業大学チームのカラーを出せた発表になっていたと思います。他の2チームがターゲットを絞ったパンフレット案に対して、 京都産業大学チームは、ターゲットを広く拾いにいったパンフレット案でした。 各チームの発表後、柚木治社長、川畑卓副社長からパンフレット内容について良い評価を頂くことができました。一週間後に最優秀賞の発表ということです。結果発表が待ち遠しいですね。

講義日時:12月10日 第10回

Xactiチームはカメラの中身の具体的な考察を行いました。

まず、ISO感度(国際標準化機構で策定された写真フィルムの規格であり、あるフィルムがどの程度弱い光まで記録できるかを示すもの)の数値をある程度具体的に決定しました。次に、レンズは単焦点レンズ(焦点距離が一つであり、ズームが効かないもの)を使用するのか、ズームレンズを使用するのかが話し合われ、単焦点レンズを使用することになりました。 F値(絞り:レンズの前の絞り板の開き具合)についても考察を行い、最後にIP等級(気機器内への異物の侵入に対する保護のレベル、防水性能のレベルのこと)について話し合いが行われ、5級を目安に進めるようです。

次回の授業で、デザインなどの決定を行う予定です。

講義日時:12月17日 第11回

Xactiチームはプレゼンに向けての本格的な準備のため、前回に引き続きカメラの具体的な中身の考察を続けました。 カメラの機能については「大人数で撮影可能」「表情を自然に撮影できる」という、自撮りを前面に押し出したものになりそうです。

今回の授業は、カメラのデザインをメインに話し合われました。その結果、カメラをマーカーのようなペン状の形にし、先端に半球状のレンズを設置したうえで、スマートフォンのアプリと連動させるという学生らしい斬新なアイデアが生まれました。

東京プレゼンの結果、提案が採用されたGUチームでは、これまでの取り組みについて最初の授業から振り返りました。様々なコンセプト、キーワードを何度も修正、変更させながら一つの形を作り上げてきましたが、その都度立ちふさがった壁をどのように乗り越えたか、どのような工夫が成功に結び付いたのか等を、パワーポイントに落とし込みました。

講義日時:1月14日 Xacti第13回・第14回

Xactiチームは最終プレゼンとして企業を訪問し、これまでの考察を集結させた提案・発表を行いました。

学生の提案に対し、開発本部のチーフである藤田日出人氏を中心に、提案の現実性がかなり実際的に検討されたほか、データをどこまで掘り下げたか、他機種との比較検討を徹底したか、など熱心な質疑が交わされました。

学生側のプレゼンは三人で行い、質疑応答については全員が一丸となって答えましたが、次々に飛んでくる企業からの真剣な質問にも落ち着いて堂々と答える姿が印象的でした。企業からもはじめてのPBLだったが、学生の熱心な探求心に驚きこれまでにない貴重な体験となった、今後もこうしたことを行っていきたい、と高い評価をいただくことができました。

講義日時:1月14日 GU第14回

GUチームは企業から出題された課題「ファーストリテイリングにおける企業の活動を、公共の観点から考察する際の論点を挙げよ。」に取り組みました。

メンバーは、まず公共とは何かという論点についての考察を行いました。公共という一括りにしてしまえば非常に範囲が広くなりますが、「女性・地域社員の雇用」という点に着目し、同社では一般的に社会的弱者と呼ばれる人々を積極的に雇用することで、公共(社会)に貢献しているという意見が出されました。

他には、「CSRは公共と言えるのか。」「CSRを重視していない企業は公共に貢献していないのか。」「女性の雇用がなぜ公共と言えるのか。」などの論点が挙げられました。

講義日時:1月21日 第15回

2チーム共にこれまでの活動の振り返りを行い、チーム全体での活動内容や反省点/ 個人各々がこの活動を通じて企業へのイメージがどう変わったか、という2点について発表しました。

 Xactiチームは、これまでカメラの新用途を「学生が欲しいと思うカメラ」という枠組みに絞って考察してきました。何度も案を練り直した結果、最終的には「構えないカメラで構えない笑顔」をコンセプトに、自撮り専門のカメラを提案しました。企業からも、「学生らしい素直な意見だ。」と好評を得ていました。

 反省点としては、大学生のカメラ使用が最も多くなるのはイベントでの自撮りであることを、自分たちの実体験やアンケートなどを通じて突き止めたのは良かったものの、カメラ購買層のうち学生がマーケットの中で占める比率等のマーケティング調査が不十分であったことが挙げられます。

 一方、GUチームは2017年卒向けの採用パンフレットの作成において、「だけじゃない」というキーワードを前面に打ち出し、幅広いアプローチで学生らしい柔軟な発想・アイデアを考察してきました。かなり深く企業研究を行ったことで、表面的には気づけないような同社の様々な面を知れた結果、東京本社でのプレゼンで優勝を勝ち取れる程まとまりのある物が作成でき、企業の方からも非常に高い評価を頂きました。

 反省点を挙げるとすれば、メンバー個々のレスポンスが少し遅かったので、「報連相をもう少ししっかりしておけばよかった。」と彼ら自身も自覚していました。

 最後には中谷教授から、「両チームともニーズオリエンテッドに即して考察ができていたことがよかった。」と締めくくりの言葉が学生に送られました。

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