お知らせ2015年、地域資格「GPM」(グローカルプロジェクトマネジャー)のプログラムがスタートしました。

活動記録 (京都産業大学)

「グローカル人材論特殊講義2016」 講義内容

講義について

講義内容

全15回のうち2~3回を除いては、連携経済団体より企業トップもしくはエースの方を各回の講師としてお招きします。二部構成となっており、前半は仕事内容や経験談を語っていただき、後半にはワークショップを行います。ワークショップでは、このグローバリゼーションの時代や多様化する社会から、企業の地域社会との関わり方や学生の就業観など、あらゆる切り口で議論を行います。コーディネーターは法学部の中谷教授が務め、地域経済で働く中で見いだされる公共性のあり方および就業観を、企業と学生の双方に考えていただく場としています。この科目は資格「グローカルプロジェクトマネジャー(GPM)」の構成科目の一つであり、70点以上の評点が認められると、資格認定のためのポイントが付与されます。


目的

この講義は専門科目でありながら、京都という地域で働きたいという強い意欲をもつ学生と、地元の中小・中堅企業との就職マッチングまでをも見据えた講義です。受講学生は、直に企業トップやエース人材と接することができるだけでなく、優秀であると認められればその後の就職まで繋がるチャンスが与えられます。 (過年度の受講生から、このマッチングが交わされ就職を果たした学生がいます!)

これはエントリーシートから機械的に始まる現在の就職活動のあり方に一石を投じようとする産学連携の試みでもあり、学生側も企業に対してさまざまな意見をぶつけつつ、双方の就業観をすりあわせて仕事観・公共観を養い、将来の就職へと繋げることを目指しています。

講義日時:4月7日

授業の前半では、面接を兼ねて、担当教員の中谷教授から、「グローバル化とは」、「働くことのイメージは」、「京都にはどんな企業がありますか」といった質問がなされました。その後、この授業はキャリア形成の授業ではないこと、授業には毎回本気で臨んでほしいといった諸注意がなされました。

授業全体を通して、学生からは、これからの授業への期待ややる気が感じられました。

講義日時:4月14日 

授業の前半では、学生がピックアップしている記事について担当教員の中谷教授からレクチャーがありました。

続いてグローカルセンターの岩本氏から、仕事観、就業観を考えるための意義や、この授業に対する心構えやアクティブラーニング・グローカル人材PBLに関する説明がありました。授業の後半では、受講生全員が、研究したいこと、この授業への意気込みを兼ねた1分間スピーチを行いました。

講義日時:4月21日 講師:株式会社COTOHA 代表取締役 谷奥 俊男 氏

花いけバトル等の新たな取組みを行っている谷奥社長から、「感動を伝えれる仕事をする」、「思い続けていると夢は叶う」、「完璧を求めない、今のベストを尽くす」、「背伸びをしない、立ち位置をわきまえる」、「自分は変えられる」という5つのメッセージを、自身の経験を基にお話しいただきました。

学生からは「苦手な人、興味がない人にはどうアプローチすればいいか」、「花の売り方を変えたり、新しいことをしたりしているか」、といった質問が出された後、「花が売れるためのイベントやアイデアを提案する」というテーマのワークショップが行われました。学生たちは、「花に興味を持ってもらう、まずどう花を買ってもらうか」という視点から様々な案を出していました。

5つのメッセージから学生たちの心に響くものはたくさんあったと思います。このメッセージを胸に、学生たちにはどんどん挑戦する人になっていってほしいです。

講義日時:4月28日 講師:日東薬品工業株式会社 代表取締役社長 北尾 哲郎 氏

日本で前例のない新たな商品を絶えず開発・輸入している日東薬品工業についての説明や、販売商品を実際に手に取りながらその説明や特色についてのお話をいただきました。また、若手社員の方にもお越しいただき「仕事」についてお話頂きました。

その後、「薬にあともう少しあったらいいなという工夫を考えてほしい」というテーマでワークショップが行われました。学生からは、「安心して買えるように成分表示などをわかりやすくする」、「マイナスなイメージや堅いイメージが薬にはあるから、もっと気軽なものにして、味付けも工夫するのがいいと思う」といった意見が出されました。

京都企業の素晴らしさや、年齢の近い若手社員に触れることのできる授業でした

講義日時:5月12日 講師:都タクシー株式会社代表取締役社長 筒井 基好 氏

京都で75年続く老舗タクシー会社である都タクシーの筒井社長に、タクシー業界の現状やこれからの新しいタクシー業界の在り方について、タクシーの新たな脅威になりうるUBERの話題と絡めてお話頂きました。

その後、「タクシーにあればいい工夫」をテーマにワークショップが行われました。学生からは、「wi-fiやコンセントが設置されていたら助かる」、「運転手が無言のタクシーが欲しい」、「学割や定期、荷物の量を増やすといったといった新たな価値をつくれないか」という意見がでました。

普段利用はしても、その内側に触れることのないタクシー業界について深く知ることができた授業でした。

講義日時:5月19日 

今回はグローカルセンターの行元氏が、「10年後の働く」をテーマに授業を行いました。授業の中で、現在の激しい時代の変化を「わくわくする」と捉えられるか、「未来は見誤る」、「枠に捉われないで」、といったメッセージを学生に伝えていました。

ワークショップでは、「10年後の働く」について、10年後の社会はどうなっているか・どんな仕事が人間に残されているか・どんな役割を果たせるのか、の3つの視点から考えました。ロボットやAIとの共存・科学の発達という観点から考えた学生もいれば、SF的な未来を想像し、そこから10年後の働くについて考えた学生もいました。

今回の授業は、いずれやってくる「働く」ということ、そして自分たちの未来について考える良い機会になったと思います。

講義日時:5月26日 講師:京都中小企業家同友会専務理事 荻原 靖 氏

荻原専務理事から、就業観(「働きがい」・「生きがい」)について、京都中小企業家同友会、そしてその仕事について等、多くのことについてお話頂きました。また、荻原氏から使命感について、「働くことは命を使うことだ」というメッセージも頂きました。

その後、「(業種を1つ決めて)企業の経営理念を3つ考える」をテーマにワークショップが行われました。受講生は、「自動車メーカーの下請け企業」・「メディア」・「女性企業」などを設定しそれぞれ経営理念を発表していました。

中小企業、また働くこと等について触れることのできる貴重な授業でした。

講義日時:6月2日 講師:株式会社ハッピー代表取締役 橋本 英夫 氏

人材と人財の違い、知識と知恵・英知とは、社会では何のために仕事をしているか、自然を観察することからの学びなど、多くのことを熱く語っていただきました。

また、橋本氏は、度々学生に質問を投げかけ、本気で学生と向き合っておられました。学生も、その熱さに胸を打たれたのではないかと思います。

 授業後の質疑応答では、学生から、「その熱さの源は何ですか」、「靴のケアメンテもあればいいと思うのにないのはなぜですか」という質問がなされました。学生の皆さんには、熱く、そして経験をたくさん積んだ人財になってほしいです。

講義日時:6月9日 講師:土山印刷株式会社 西脇 正長 氏

本授業の第一期生でもある西脇氏から、会社説明、仕事について、就職についてお話頂きました。「百点は満点でなく、及第点だ」、「職場環境の変化」等について、また就職活動の不安と入社後についてのお話は、身近な先輩のお話として学生達に響いたと思います。

その後、質疑応答を行い、「労働価値観を十個考えて、優先順位をつけてくださ」というテーマでワークショップを行いました。学生からは、「社会貢献度」、「スピード」、「収入」等の意見が出されました。

回を追うごとに、ワークショップのクオリティが上がってきているように感じました。

講義日時:6月16日 講師:全日本空輸株式会社京都支店 支店長 山口 智啓 氏

航空業界の今と、全日本空輸株式会社の歴史についてお話頂いたあと、LCCや観光産業についてもお話頂きました。

質疑応答の時間では、学生から、「チケットレスで飛行機に乗ることはできないのか」、「リニア等が発達した場合、飛行機は存続できるのか」等の質問が出されました。その後のワークショップでは、「20代の若者を旅行させるにはどうすればよいか」をテーマに行い、それぞれが若者らしいユニークなアイデアを出していました。

日頃触れ合うことが少ない航空業界について詳しく知ることができる機会でした。

講義日時:6月23日 講師:株式会社 片岡製作所 代表取締役社長 片岡 宏二 氏

レーザー加工をメインに太陽電池製造装置、リチウムイオン電池などの検査装置を国内外で製造され、多くの分野でシェアを取るニッチトップ企業である片岡製作所の片岡社長からお話を頂きました。中でも、「競合他社が大手でも、そのディビジョンと戦うのだから負けることはない、これが中堅企業が大手に勝てる理屈だ」というご説明は、目から鱗の内容でした。

23歳で会社を立ち上げられ、一代で海外展開まで進出する企業を築かれた軌跡、そして社長の見ておられる世界や社会と向き合う姿勢など、お話の中から多くのことを学ばせていただきました。また、経営者となった時のお気持ちなども聞かせていただきました。

講義全体を通して日本の技術力、京都企業の魂をあらためて感じることができました。

講義日時:6月30日 講師:株式会社 美京都 代表取締役社長 中馬 一登 氏

就職活動中に得た気づき、独立しようとした中で得た気づき、人生をゲームに見立てて生きていく生き方など、目から鱗な内容をお話頂きました。

授業中には、「あなたが考える、実際に社会で必要になる5つの力」をテーマに、中馬社長が用意されたワークシートでワークを行いました。多くの学生が創造力や決断力を挙げていました。また、班によっては枠にとらわれない考えをしているところもあり、初回授業のころと比べて変化が見られました。

「ビジョンを持つことと友達を大切にすることは大事にしてほしい」、「我がままであって、行動を起こし続けてほしい」。中馬社長が強調されたこの言葉の意味を理解して、受講生の皆さんには成長していってほしいです。

講義日時:7月6日 課外:株式会社ナルックス工場見学

プラスチック・ガラス光学部品のメーカーである株式会社ナルックス様を本講義の受講生、本学法学部中谷ゼミの学生、京都工芸繊維大学の学生で訪問しました。

会社の沿革や製品についての説明を受けた後、研究室と工場の見学を行いました。学生のほとんどが文系でしたが、とても興味津々で、初めて触れる分野についても積極的に質問していました。また、工場では、学生たちがレンズの製造ラインに見入っていました。

普段教室から出て学ぶことのない学生たちにとっては貴重な経験になったと思います。

講義日時:7月7日 講師:株式会社明光商会 青木 正太 氏

オフィス用事務用品メーカーである明光商会の青木正太社長に、仕事観について、仕事とはなにか、アウトプットはどうするか、京都で働くことの醍醐味は何かをお話頂きました。

その後、中谷先生との対談を踏まえ、「手元に10万円と1000万円があるとして、どう使うか」をテーマにワークショップを行いました。現実的な答えから学生らしい答え、中には投資に使って増やすといった答えも上がりました。

仕事やアウトプットについて詳しく知ることのできる授業でした。

講義日時:7月14日 講師:京都信用金庫 専務理事 榊田 隆之 氏

最後の企業人講師は、京都信用金庫の榊田隆之専務理事でした。今回はクリッカーを活用した授業で、お話の途中に榊田氏からいくつかの質問が出されました。匿名で解答できるため、学生の本当の答えを見ることができました。

今回の授業では、榊田氏のこれまでを振り返りつつ、仕事について、自分自身の持つビジョンについて、ポートランドなどの海外事情についてお話頂きました。また、京都信用金庫の紹介と、自社で求めるべき人材、榊田氏の考える理想の企業についてもお話がありました。

今回はワークショップを行いませんでしたが、学生からの質問時間をとったところ、授業時間を大きくオーバーする程に、多くの学生から質問が出されました。学生たちが授業を受けて、情報を整理して、積極的に動けるまで成長したのだと感じることのできる授業でした。

講義日時:7月21日 最終授業

 今回は、半年間の総振り返りと、「働くことと公共性の関係」について中谷先生が講義を行いました。「働く」とは何か、あなた(私)は何のために存在しているのか、「私として存在する」ことはどういうことか、等について、これまでの授業内容を絡めて話されました。

 その後、「これまでのスクラップ記事について印象に残ったものを1つ選び議論、発表してください」というテーマでワークショップを行いました。京都の事柄や時事問題まで、幅広い記事が出てきました。

 最後に、中谷先生からまとめのお話を頂いて、半年間のすべての授業は終了しました。

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