本事業では、確かな公共マインドと冷静なビジネスマインドを兼ね備えた、地域経済を支えるグローカル人材を育成することを目的としている。その成果報告会である『第4回グローカル人材フォーラム』を、産学公連携を推し進め大学教育と地域経済の発展に寄与しつつ、学生自身の自発的学びを促進し「グローカル人材」を育む一環として開催した。
本事業では、確かな公共マインドと冷静なビジネスマインドを兼ね備えた、地域経済を支えるグローカル人材を育成することを目的としている。その成果報告会である『第4回グローカル人材フォーラム』を、産学公連携を推し進め大学教育と地域経済の発展に寄与しつつ、学生自身の自発的学びを促進し「グローカル人材」を育む一環として開催した。
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プログラム |
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(要旨)事業開始当初、まだ珍しい言葉であった『グローカル』という概念も、今では各方面に進出し浸透している。自身は言語学が専門であるため、グローバルとローカルを掛け合わせた『グローカル』という用語に非常に興味を持っているが、掛け合わせ語は言語としてあまり浸透しない傾向がある。しかしながら職能資格であるグローカルプロジェクトマネジャー(GPM)が各大学でプログラム化されていることから、『グローカル』は着実に浸透していると感じる。また、本事業の先進性は全国的にも高い評価を得ており、全国各地から多くの方が視察に来られている他、大学の教育カリキュラム改革をはじめ、京都市の『大学のまち京都・学生のまち京都推進計画』にも波及するなど、多方面に広がりを見せている。このフォーラムを通じて、大学教育と京都経済の発展に寄与する更なる一歩を踏み出すことを大いに期待している。
合計9チームがグローカル人材育成を目的としたPBLプレゼンテーションを行い、その成果を競った。昨年度のアワード形式から更に発展させ、各大学の課題解決提案に対し企業人が審査してグランプリ等3つの賞を決め、第3部で表彰するコンペ形式で実施した。各チーム6分間の持ち時間の中で、プレゼンテーション、独創性、フィールドワーク、チームワーク、実現性を競う白熱した発表となった。
京都文教大学総合社会学部総合社会学科の黒宮一太准教授のコーディネートによって進められた「コミュニケーション能力を再定義する」をテーマにした本トークセッションは、ともに重要性・必要性を認識しているものの共通した定義が示されているとは言いがたい「コミュニケーション能力」について、企業人と大学生とが1つのグループ(企業人2名と大学生4名)を構成し、あらためて「社会で必要とされるコミュニケーション能力とは何か」を考えていくことが目的である。
各グループ(会場内に誕生した新たなグループ1つを含む)は、30分間で、まず自分が考える「社会で必要とされるコミュニケーション能力」の内容とその理由を1人ずつ発表し、その後グループ内で「社会で必要とされるコミュニケーション能力」を3つ以内にまとめ、所定の「コミュニケーション能力まとめフォーム」に記入(自己紹介のあと30分間)、会場前方にあるホワイトボードに掲示した。その後、コーディネーターの黒宮准教授の計らいで、「総評」にかえて、各グループの発表が10分間でおこなわれた。
第1回からコーディネーターを務める黒宮准教授は、今回のトークセッションがこれまで以上に、普段交流することの少ない企業人と大学生とが1つのテーマをめぐって率直に意見をぶつけ合い活発に議論する場となったと述べたうえで、「会場を出た後、各自の職場や大学に戻った後も「活発に議論する文化」が根づいていくように周りの人をつかまえて様々な話題について真剣に議論してください」とトークセッション参加者・観覧者にメッセージを送った。
「若者が働きたい企業とは?」をテーマにして佛教大学社会連携センターリサーチアシスタントの長光氏のコーディネートによって当日参加した企業人と学生でワークショップが進められた。このセッションでは、企業人と学生が、複数のチームを作り、それぞれが自分たちのチームをベンチャー企業に見立てた上で、「自社の魅力を若者にPRする」というミッションに取り組んだ。どのグループにおいても、企業人と学生が積極的に意見交換を行っており、白熱した議論が繰り広げられた。
後半は、各グループから課題に対するプレゼンテーションが行われ、その後、会場に居たもの全員が参加して、どの企業に就職したいか投票が行われた。最優秀企業を決める際にも参加者全員が頭を抱えて悩むほど、ほとんどのグループに投票数での差はなかった。このような全体の流れを踏まえコーディネーターの長光氏は、「魅力ある求人とは人によってさまざまである」、「企業は10万人に1人でもいいので、その人の心に響くような求人をだし、学生は学生で一般的な求人広告ではなく、自分に合った企業を見つけださなければならない」という趣旨の講評をされた。
連携校学生およびグローカル人材開発センター学生事業部が取り組んだアクティブラーニングの内容や成果を12グループがパネル発表を行った。各パネルのテーマは、防災、まちづくり、障害者雇用、労働法、男女共同参画、企業の販路開拓、求人広告作成など多岐に渡り、プロジェクトに取り組んだ学生が企業人や教育関係者などに向けてパネル前で説明を行った。いずれのパネルにおいても、課題解決を目指す過程の中で、学生達が課題に向き合い活動する様子が反映されており、アクティブラーニングの成果とともに学生の成長も窺えた。
現代がどのような時代かを考えつつ、その中で地域社会あるいは京都が学生や若者の人材育成にかかわる意味とは何か、どのような「働く場」から成り立つ地域社会を目指すのか、といった大きな観点を中心に議論が繰り広げられた。
第3の改革と呼ばれる「高等教育改革」がなぜいま必要なのか、その背景から説明頂き、変化を起こすための人材育成について(How to foster Human Resources to become change agents)、また人材育成の意義について意見を述べた。「職場」のその人材育成はどう変わらねばならないか。その中でのグローカルセンターの役割についても代表者が熱く語られた。PBL受講生にはいまの社会人が若者にどう見えるか率直な意見を求めた。
さらに、日本の高等教育と社会連携のあり方について文科省に意見を求めた。並びにグローバル時代において日本の学生はどのような勉強が必要か(Learning Recommendations for Japanese Students in This Global Era)について異文化コミュニケーションの専門家にアドバイスを受けた。最後にグローカル人材プロジェクトの未来像について「寄って集った」地域皆で取り組むことを呼びかけ、会場からも賛同の喝さいを受けた。
第1部のGLOCAL Competitionの表彰が行われ、以下のチームが各賞に選ばれた。
グランプリ:龍谷大学『中森ゼミ』
評価ポイント:ユニークなテーマ設定で、商品開発まで結び付けた質の高い、オリジナル性の高いものであったことが最高の評価を受けた。
準グランプリ:京都産業大学『グローカル人材PBL〈若者に中小企業の魅力を発信するには?〉』
評価ポイント:プレゼンテーション、組み立ての両方で高く評価された。提案内容の「中小企業と学生をつなげる」は、ソーシャルなビジネスとして事業の可能性を十分期待できる仕上がりとなっていた。京都発の事業として育つことを期待する。
審査員特別賞:グローカル人材開発センター『志のtaxiプロジェクト』
評価ポイント:楽しんでプロジェクトに取組んだ姿が高く評価された。9チームの発表の中でトップバッターであったにも拘らず、2人で発表を楽しんでいる姿が印象的であり、今後のアウトプットにも大いに期待もてる内容となっていた。
(要旨)平成25年2月グローカル人材開発センター設立以来、PBL参加学生が1000名を超え、活動の中で学生が職業観を得る傍ら、企業人にも新たな気づきが多くあり、共に成長してきたと感じています。。未来を支える優秀な人材をオール京都で寄って集って育成していくことが、本センターの社会的使命と再認識し、「ひと」にしかできない仕事に専念していきますので、一層のご支援をお願いしたいと結ばれた。