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2019.09.17

【過去のプログラム】GLOCAL SHIFT CAMP Day3「個人の力が100%発揮されている組織になるために何が必要か」

【過去のプログラム】GLOCAL SHIFT CAMP Day3「個人の力が100%発揮されている組織になるために何が必要か」

[Report]| 2019.09.17

異業種合同プログラムGLOCAL SHIFT CAMP Day3

こんにちは!シフトキャンプDay3の午後の内容をレポートします、TODO(藤堂 寛)です。昨年のシフトキャンプに参加していまして、今年も1日だけ潜入させてもらうことになりました。

1年ぶりのシフトキャンプで当然参加しているメンバーも昨年とは違いますが、自由でエネルギーに満ちた場が今年も変わらず広がっていました。それでは早速Day3午後のレポートです。
スポーツドクター・株式会社エミネクロス代表 辻秀一先生の講演からスタート!

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個人の力が発揮されている時組織に何が起こっているのか?
~組織の最前線の潮流・フロー経営の実践から学ぶ~

ヒトのパフォーマンスを左右する「質」

QOL(人生の質)やココロの状態(フローorノンフロー)に着目してスポーツ選手のメンタルトレーニングや企業・自治体との活動を行なっている辻先生。しかし辻先生も第一のキャリアとして病院で働いている頃は「質」よりも量や根性に頼った働き方をされていたそう。そんな中パッチ・アダムスという医者を描いた映画を観たことをきっかけに「質」の概念の重要さを実感し、早くから心の質とパフォーマンスに注目していたスポーツ心理学の分野へ進むことになりました。

スポーツの世界ではパフォーマンスの質と相関のある要素として心の質が重要視されており、実際の現場でもメンタルトレーニングが活用されています。どんな選手でも1日24時間という条件は変わらないのに、より効果のあるトレーニングができ競技レベルを向上させられる選手もいればそうでない選手もいる。試合で良い結果を出せる選手もいれば、技術は高いのにそれが発揮できず結果が伴わない選手もいる。そんな両者を分けるのは心の状態を自身でマネジメントし、良い心の状態=ごきげんな感じ=フロー状態を作ることができるかどうかだと辻先生は言います。(なお辻先生の言う〈フロー〉はチクセントミハイが提唱した〈フロー〉よりも広く、深く集中した状態までいかずともごきげんな状態であれば〈フロー〉と呼びます)

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あなたの心の状態は…?

スポーツの分野は心の状態とパフォーマンスに早くから着目していましたが、心の状態がパフォーマンスの質を左右し、パフォーマンスの質が結果に影響を及ぼすという構造はスポーツでもビジネスでも変わらない構造です。そしてパフォーマンスは「何を」「どんな心の状態でするか」の2つの要素で決まりますが、従来の社会では「何を」の部分にしかフォーカスしてきませんでした。(ex. こんな勉強をしたら大学に合格する、このトレーニングをしたら試合に勝てる)

ではこれまで顧みられることのなかった「心の状態」とはどのように測ることができるのでしょうか。その答えはとってもシンプルに「機嫌がいい」か「機嫌が悪い」のどちらかです。(最大限に機嫌がいい方向へ振り切れた状態が〈ゾーン〉=チクセントミハイの〈フロー〉、逆に機嫌が悪い方向へ振り切れると鬱状態)そしてヒトの心は「機嫌がいい」と「機嫌が悪い」の間をいつも行き来しています。

脳がもつ2つの機能
心の状態が「機嫌がいい〈フロー〉」と「機嫌が悪い〈ノンフロー〉」のどちらかにあることは分かりましたが、そもそもなぜ私たちは機嫌が良くなったり、またある時は不機嫌になったりするのでしょう?

脳はいつも外界の情報(環境、他人、出来事など)を認知し、何らかの意味づけをし、何かの行動を起こさせます。この脳の機能を認知脳(コグニティブ脳)と呼びますが、スマートフォンによって常に外界と繋がり様々な情報が洪水のように押し寄せる現代、認知脳は絶えず認知→意味づけ→行動の流れを絶えず繰り返すことになってしまっています。認知脳は外界に依存するため、自分の思い通りにならない行動が増えノンフロー状態にある時間もどんどん増えてしまいます。

そしてこのノンフローを抜け出すために必要なのが脳のもう1つの機能、ライフスキル脳(=非認知脳=ノンコグニティブ)です。パフォーマンスの構成要素である「何をするか」を認知脳が司るとするならば、「どんな心の状態で」をコントロールするのがこのライフスキル脳。これまでは認知脳が優れた人を「頭がいい」と呼んできましたが、これからは認知脳とライフスキル脳の両者をバランスよく使える人が「頭がいい」人になるだろうと辻先生は言います。しかし、認知脳オンリーの脳の使い方を抜け出し、ライフスキル脳も使えるようになる人はおよそ2割ぐらいだそう。

あなたの「ごきげんの価値」はどれだけですか?
ここまでの話を聞いて、「機嫌がいいときの方がパフォーマンスが上がることも分かったし、今までは脳の片方のはたらきしか使っていなかったことも分かった。でも実際のところ自分を不機嫌するような原因がいっぱいあって、そんな時にごきげんでいるなんてムリ!」そう思いませんでしたか?ここからは今まで使うことがなかったライフスキル脳を働かせ、ごきげんでいるためのトレーニングです!

まずはちょっとした思考実験を。「あなたの目の前に1円玉と1万円札が1枚ずつ置いてあります。するとそれを奪おうとする人がやってきました。あなたは1円玉と1万円札のどちらを守りますか?」…たぶんこれを読んだ誰もが1万円札を守ると思います。それは1万円札の方が価値が高いから。では機嫌がいい時の方がパフォーマンスが上がることを知っているのに、外部環境や他人の行動に反応して不機嫌になるのはなぜ?…それはあなたが「ごきげんなこと」に価値を感じていないから。価値を感じていないor低く見積もっているために、みすみす〈ごきげん〉を捨てて不機嫌になっているんです。というわけで、不機嫌の原因に負けないために自分でごきげんの価値を醸成するワークショップを行いました。

・グループ内で「ごきげんでいるとどんなメリットがあるか」を30個出す
・その中から自分が特に価値が高いと思うもの〈マイフローバリュー〉を3個選び、その理由を説明する

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これらのワークをしているだけでなんとなく皆さんワイワイと楽しい雰囲気に。このワーク自体がライフスキル脳を使っており、脳内環境がいつも認知脳を働かせている時と変わっているからだとか。

そしてライフスキル脳を普段から使う・鍛えるため次のような思考を行うことが大切です。

過去と未来にとらわれる→今に生きる

結果が楽しいと考える→一生懸命を楽しむ

ビッグマウスのポジティブシンカー→自然体のライフスキラー

文句・愚痴・言い訳を考える→ありがたいと考える

周囲のパフォーマンスを高めるには?
個人が良いパフォーマンスを出す思考法をここまで学んできましたが、この手法を使って周囲の人のパフォーマンス上げるにはどうすればいいのでしょう?ここで大事なのは「何を」(認知的)と「どのような状態で」(非認知的)のバランスです。

周囲に何をすれば良いかを指示するには「明確に」「具体的に」「厳しく」が大原則。いくらごきげんな状態の方がパフォーマンスが上がるからといって曖昧な指示や単に甘いだけの指示はご法度です。とはいえ指示をするだけではノンフロー状態に陥りやすいので、同時に支援を行なってバランスを取ることが良いリーダーには欠かせません。心の状態をよくする支援には3つの要素があります。

・まず自分自身がフロー状態であること

・フローに導く声かけ

・コーチ力=分かってあげる姿勢・見通してあげる姿勢

優れたコーチは他者を気持ちを分かってあげることができ(すべき行動、すべきでない行動を分からせるが、それらをしたくない/したい気持ちは分かってあげる)、かつ瞬間ではなく時間の幅で考える=変化や成長に気づくことができます。

優れたチーム=エクセレントチームとは?
ビジネスもスポーツもチームで行うことが大半ですが、高いパフォーマンスを生み出せるチーム=エクセレントチームとはどのようなものでしょうか。

どんな場面のチームでも、チームは「個人」「全体」「関係性」の3つの要素で成り立っています。そしてエクセレントチームとなるための出発点は個人です。個人が自立する=自身のパフォーマンスに責任をもつことで「全体の共有」「信頼関係」が生み出されていきます。そして「関係性」こそがチームの見えない戦力であると辻先生は言います。

”Bi Brainer”になろう!
3時間にわたって心の質やライフスキル脳について学んできましたが、これらを知っていることと実践できることの間には大きな隔たりがあります。ライフスキル脳を使いこなせるようになるために、

・自身のフローの価値を高めること

・非認知脳を使った会話が日常的に起こる環境

が大切です。

今回の学びを実践して認知脳とライフスキル脳の2種類をバランスよく働かせることができる”Bi Brainer”になりましょう!

〜振り返り〜
辻先生の講義が終わった後は、みんなで内容の振り返りを行いました。この振り返りの方法も参加者の皆さんで決めることになりました。それぞれの方に「こんなテーマで話したい」「気軽な雰囲気の中で振り返りたい」「少し休みたい」と様々な思いがあったためにマグネットテーブル(※)式にそれぞれがこの後の時間の使い方を紙に書いてお互いに見せ合いました。

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▲グラフィッカーのますおさん、辻先生のお話のエッセンスや参加者の変化を可視化。
ありがとう 😉

(※)マグネットテーブル・・・話し合いの場を作る手法の1つ。各々が話したいテーマを紙に書いて、
「テーマが似ている人」
「化学反応が起きそうな人」
「自分が書いたテーマよりも興味のあるテーマを書いている人」が集まりテーマに対する関心が高い人同士でグループを作る。

「時間の過ごし方」という広い文脈でマグネットテーブルを行なった結果2つのグループができ、さらに一方はヨガマットを床に敷いてその上で振り返りを行なっていました。

講義の振り返りの内容だけでなくその方法も自分たちで決めるのはある程度ストレスのかかることですが、その状態を「ごきげんに」過ごすのはまさに講義の内容の実践ですし、自分のしたいことをちゃんと表明することはこれまでの内容につながるものでもあります。

〜Check Out〜
そして最後は全員で円になってチェックアウトの時間。それぞれが「私のフロー3か条」を発表しました。

▽参加者それぞれの3か条

・ブレない

・自分を大切にする

・笑顔でいる

・感謝する

・自然体でいる

・心の中に(スラムダンクの)安西先生を作る

・QOLを意識する

…etc

以上でシフトキャンプDay3のプログラムも全て終了!…ではなくシフトキャンプ1期生で祇園で飲食店をされている真鍋さんのお店で懇親会がありました。(僕は行けなかったのですが…残念!)

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▲辻先生、GLOCAL CENTER代表理事榊田さん、SHIFT CAMP第一期生真鍋さん :)

というわけでレポートは以上です!
皆さんありがとうございました!

SHIFT CAMP 第3期生
小川珈琲株式会社 TODO(藤堂 寛)

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